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しょっぱいなんて生ぬるい。

6年が経った。

 

6年前は香川県にいて、気の合う友達と瀬戸内海を眺めながらドライブしてた。

友達が仕事が始まるのが19時だったから、仕事先まで送り届けて帰宅したのが19時半。

 

珍しく、父が家にいて居間でテレビを観ていた。

父はアクション系の映画が好きだ。

画面の中は真っ赤で火事の様子が映されていたように思う。

 

父がぽつりと、

「これ、今日本で起きとることやぞ」

と言った。

私に言ったのかただ声に出したかったのかわからないけど、確かにそう言った。

 

シーンが変わる、黒い波がどんどん街を呑み込む映像が流れる。

 

私は全然理解ができなくて、でも涙はずっとずっとでていて、テレビの前から離れられなかった。

 

「あの日」

 

から6年。

 

 

私は

 

「あの日」

 

「日常」を過ごしていたので、今日も「日常」を過ごした。

 

ただ、出かける前に手を合わせた。

あの時間になると目を閉じて思いを馳せた。

 

「日常」が崩されるかもしれない瞬間、瞬間を生きている。

「日常」が奪われたあとに、思い出した!じゃ遅すぎるから。

時間は過ぎていって忙しないこの土地は遠い日にしてしまうこともあるかもしれない。

 

でも今日は、しょっぱいなんて生ぬるい、いたみと悲しみに寄り添って、これからのために考える日でありたい。