洗濯物と風。

今日だった。

込み上げてどうしようもなくなって、上を向いても仕方なくって。

唇を噛んでも溢れてきたのは実感だった。

 

今日の昼下がり、ご飯を終えて小さな洋服たちを正座して畳んでいた。

風がふわっと吹いて気持ちがよくって、『いい1日をみんな過ごして帰って来たらいいなあ』なんて思いがふわっと浮かんだ頃合いに、

同じようにふわりと私の祖父が浮かんだ。

 

憎まれ口を叩くときの険しい表情なんかじゃなくって、私が祖父の好物の「うずまきソフト」のアイスクリームを買って帰った時の、喜ぶのを抑えた時に出る、少しだけ口角の上がった口元と、隠しきれない目尻のシワ。

長い眉毛までが真っ白になっている、祖父の横顔だった。

 

「嗚呼、おじいちゃんにもう会えんのや」

 

溢れてきた実感。

 

祖父は死んだのだ。