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ひろげた両手に

 

 

 

目があうと、

 

私めがけて両手を広げる。

 

私も同じ高さになるようにしゃがむ。

 

両手は私の首にまわる。

 

私は立ち上がって優しくリズムよく、小さな背中に触れる。

 

ぎゅっと力のこもった両手は次第に力が抜けて

 

同じように私の背中に優しく触れる。

 

 

抱きしめて抱きしめられる。

心地よさがジーンと身体に沁み渡る。

 

安堵感がこちらにも伝わるようなジーンとしたあたたかさは

私やあなたがそれぞれに優しく触れているうち、ずっと、続く。

 

 

 

1日に何度も求められる。

 

その度に応える。なるべく丁寧に。

 

 

 

「癖がついてはいけない」という人もいる。

 

それも間違ってはいないのだろう。

 

癖になったように私と二人きりになるときには必ず求められるから間違ってはいないのだろう。

 

ただ、これが12歳になっても17歳になっても続くわけじゃない。

22歳になって、34歳になってもできるわけじゃない。

46歳や53歳、67歳になってからじゃ頼めない。

 

 

26歳になってもただ抱きしめてくれる人がいればいいと願うことだってある。

ずっと肯定してくれて、言葉だけでは足りなくて。

 

 

 

温度で肯定されていたい。

 

 

 

 

そう思う夜だってあるのだから。

 

 

素直に言って許される、その年齢くらいはずっと抱きしめていたいのです。

まだほのかに肌に甘い香りが残る彼らが身を委ねられる、そういう時間があってほしいと思うのです。 

 

 

 

 求められた私すらも包み込む、ジーンとするそれは求めた側も求められた側も潤わずにはいられなく、広げられた両手に救われたりもするのです。