生活の余白
何もせずに1日が終わろうとしている。
目が覚めたのは昼過ぎで、
『ああ、青山に好きな絵を観に行こうか』
なんてぼんやり思って、
ブラジャーをつけて
『今日は何を着ようか』
と悩んでいると
『でも電車乗るの今日はきついな、ウン。なんだか今日はきついな』
と感じて横になったらいい具合にまた睡魔が誘ってきて、
『このまま眠れたら気持ちいいだろうな』
思ったら次に目が覚めたのが夕方だった。
目が覚めて、SNSを触るでもなく、掃除をしようとするでもなく、何をするわけでもなくぼんやりと過ごした。
寝ているわけではなくて、目は開いていて。
思考しているわけでもなくて、ただぼんやりと漂うように好きに思いを巡らせていた。
仕事のこと。生活のこと。元彼のこと。最近聞いた話で感じたこと。
考えるわけでもなく本当にただ漂わせただけの時間だった。
『子供の頃はこの時間が毎日あったなあ』
毎日毎日、勉強も宿題すらもせずに、時々本を読んであとはひたすらぼんやりと過ごしていた。
思考していたわけではなく、自分の混沌とした思いをただ漂わせて眺めるだけの時間を毎日持っていた。
持たないとダメだった。
それがないと何もできなかった。
やる気が起きず何もせず、ぼんやりと過ごしていた。
ひとしきりぼんやりと過ごして宿題をせずに時間割も合わせずに学校に行っていた。
26歳になって久しぶりにぼんやりと過ごして特別スッキリしたわけではないけどいい時間だ。
無為でどうしようもなく、ぐうたらな時間が小6の私には毎日必要だった。
26歳の私には思い出したようなタイミングで生活の余白が必要なのかもしれない。